手続き記述と構造記述

「料理は理系だ!フローチャートで解説した料理本が「分かり易い」と評判に!」という記事が目にとまりました.

こちらです
http://entermeus.com/146590/

肝心の「豚汁の作り方フローチャート」は下記のようなものでした.

豚汁の作り方

ところで,これって,本当に”わかりやすい”でしょうか?

一般的に,このような手続き型の記述は「その通りやればできる(かもしれない)」けど,「わかりやすい」とは言えません(認知科学を学んだ方なら知ってますよね).

「わかりやすい」と思えるのは,「わかりやすい気がする」からなのです.なぜ,”わかりやすい気がする”のかと言えば,人の一般的なコミュニケーション手段である会話が運動性言語,つまり手続き型表現であるからです.ちなみに,運動性言語はブローカー野が担当していて,運動機能に近いところにあります(早い話が,人は,運動神経でしゃべっているようなもの).

一方で,”理解のための言語”はブローカー野から離れたウエルニッケ野にあり,これは,視覚野と1次聴覚野が交わったところにあります.つまり,視覚でとらえた実体構造に対して意味を付加することで理解が得られるのです.

豚汁の話に戻すと,フローチャートのような手続き記述は運動的にできるかもしれないのですが,なぜ,そのような作り方になるのかを理解するためには,対象を構造的にとらえる必要があります.

対象を構造的にとらえるモデリングの手法としてはデータフローダイアグラムなどがありますが,どちらかというと,システムの仕様を描くものです.

豚汁の作り方のような人の生産的活動を構造的に描くには,作る過程によって変化する対象物の状態の変化を表現することなどが必要です.

そこで,今回皆様にご紹介するのは(おや? セールストークになってきたぞ??)豚汁の作り方も構造的に表現することができる「PReP (プレップ)モデル」になります.

こちらが,その記述結果です.

豚汁の作りかた(PReP)

「火の通りにくい野菜を先に煮込む」といった手順の意味がわかりますでしょうか.
また,図の左側を見ていただくと,調理をする人のインサイト(本音)が吹き出して書かれています.豚汁を作るときのリスクが,このような作業者のインサイトを考慮する必要があります.

さらに,概念を構造的に記述すると,描いたプロセスモデルは,データモデルにつながり,システムスコープと要件定義書を出力することができます.
必要な道具(システム)や,それらの求められる機能が一覧いただけると思います.

豚汁の作りかた(システム要件)_ページ_1

 

この,システムスコープ・要件定義書の自動出力は,Microsoft のVisio(ver. 2013)のAdd-in機能を利用して実装してみました.

ご興味のある方は,こちらへ!

PReP modelとツールに関するお問い合わせ

(宣伝でした)

 

yasushi_tanaka

有限会社ケイプラス・ソリューションズ代表,東京工業大学 特任准教授,大阪芸術大学 客員教授,奈良先端科学技術大学院大学 非常勤講師,博士(工学),CMM正式リードアセッサー(非更新 笑)

Facebook Twitter