Agileのベースライン

2012年10月10日から12日までの3日間、大阪国際交流センター(大阪府大阪市 http://www.ih-osaka.or.jp/)で行われる、ソフトウェアプロセス改善カンファレンス(SPI Japan2012)の企画セッションを担当することになりました。
10月10日(水)15:00 – 17:00に行う「Agileのベースライン」という企画セッション(パネルディスカッション)です。

パネリストは、下記の4名の方々です。
(50温順 敬称略)
・阪井誠(SRA)
・西丈善(XPJUG関西)
・前川直也(パナソニック)
・和田憲明(富士通)

本企画セッションの説明文は下記になります。
「日本においては、過去を否定し新規のルールを敷設するのではなく、ターニングポイントに行きあたったときには常に「われわれとは何であるのか」を問い直すことによって、過去と変革との均衡ポイントを見つけてきた(レヴィ=ストロース)。
昨今、あれもAgile、これもAgileと耳にするようになってきました。踊り場を迎えていると思われる日本のソフトウェア技術にとって、今まさに「Agileとは何であるのか」を問い直すことは、均衡ポイントを見つけるための重要なテーマではないかと思われます。
パネリストとともに議論し、Agileのベースラインを一緒に引いてみませんか」

SPI Japan2012への申し込みは下記になります。
https://www.jaspic.org/event/2012/form/SJ/registration.html

また、本企画セッションのみ参加の場合は、SEA関西プロセス分科会のページから申し込まれますと、一般2,000円、学生500円で参加可能です。

SEA関西経由での申し込みは下記になります。
http://sea.jp/kansai/wp/?p=82

奮ってご参加ください!

 

支えあう

8月21日から3泊4日の日程で、岡山県美作市上山(みまさかしうえやま)に合宿に行きました。岡山県の美作は、かの宮本武蔵の故郷*。その美作市の南東、吉井川の上流、標高約400mに上山は位置しています。
かつては8,300枚の棚田を有し、夜になれば水面の数だけの月を映し出していた棚田でしたが、バブル期に住民の流出で多くの棚田が放棄され、20年あまりのあいだに、7割を越す棚田が姿をとどめなくなってしまいました。

上山の風景
右手の斜面は、まだ再生されていないかつての棚田です。

2009年からは、耕作放棄地となった棚田の再生がはじまり、この活動の中心である美作市地域おこし協力隊(MLAT)のメンバーの協力を得て、奈良先端大学院大学で実施しているシステム開発演習の一環としてフィールドリサーチを行いました。

棚田再生のための野焼きを見学。この距離からでもかなりの熱さです。

2012年度のシステム開発演習は、「支えあう」をテーマに、地域活性のためのITシステムの開発を、大阪芸術大学(キャラクター造形学科)との合同授業として行っています。過疎、高齢化により、社会的共同生活の維持が困難になった地域は限界集落と呼ばれているようです。日本の多くの中山間地域がそうであるように、住民が40世帯あまりの上山においても、人と人との支えあいは、地域生活の維持と発展のための重要な要素であると考えました。

座学
合宿中の座学風景。

 

「支えあう」をシステム開発演習のテーマとした理由には、実は、もうひとつの意図があります。それは、システムを開発するには“メンバー同士が支えあわなければモノは作り出せない”ということを学生に学んでもらいたいということです。

チーム#01
チーム毎のワークショップ。奥に座っているのは、怪奇マンガ第一人者の日野日出志先生。
チーム#02
つなぎに身を包んでいるのは、現地「MLAT」のメンバー。
チーム#03
立命館大学でゲーミフィケーションを研究している学生にも参加いただき、アドバイスをもらいました。

この授業は、ソフトウェア開発にかかわる工学知見を演習を通して学んでもらう授業です。一方で、ソフトウェア工学を含め、技術は、ともすると「人」を交換可能な部品として扱うものであるととらえがちです。そのため、特定のツールや手法に興味がいってしまい、「人」という要素が遺忘され、共同してモノを作り出すという根本的なところの大切さや難しさが忘れられてしまいがちです。また、学生を取り巻く昨今の教育環境は、教育が本来教えるべきである人と人とが支えあうということよりも、残念ながら、他者に対して相対的に有利なポジションを取ることを、無意識的にも刷り込んでしまっているようにも思えます。

ソフトウェア開発という、人と人とが共同する知識労働を成功させるために本質的に大切なものは何か。この授業で学ぶ、というよりも体験して欲しいと考えています。

* ということを、「バカボンド」で知ったというと日頃の知見の出所が疑われるところですが、おかげで、同行していただいた大阪芸大のキャラクター造形学科(別名、マンガ学科)の先生方とも意気投合し、教養の懐は広くしておくべきであるとあらためて実感しました(笑)